そのうちラジオのニュースで神様がいつくるか話します.
「こんにちは.今日はお正月です.今年は鳥の年なのでヴァルナの神様が来ます.神様は夕方の5時ごろ来るでしょう.」
お正月の音楽を流しながら知らせます.みんなはそれを聞いて5時までに準備を終わらせなくてはいけません.神様が来たあと,プダルの水で顔を洗います.
ことしもみんな元気でよかった.いい一年がはじまります.
私は家のことはあまり手伝いませんでした.母はみんなのためにいろいろ料理を作ります.4品くらいのうち一品は必ず母のオリジナルのカレーを作って,フランスパンと一緒に食べます.
お正月は特別のおこずかいがあります.父からひとりづつ渡します.私は姉がライバルですから姉と同じじゃないとイヤです.姉が20リュエル,私が10リュエルだとすごく怒ります.
「いらない!」
といって10リュエル捨てて2階へあがってしまいます.お父さんが下のほうで
「いらないんだったらいいよー.じゃあスーはあげないよ」
と大声で言いますけれど,私はまだ怒っています.そのうち姉が20リュエルを持ってきてくれました.
夜は家の庭で音楽をながして,ランボンを踊ります.お寺からの男性や近所の人も参加できます.ランボンは木で作った塔のようなものに飾りをつけて,花を飾って,その周りをみんなで回りながら踊ります.日本の盆踊りによく似ています.
子どもたちはオンコン投げやクロマー投げをして遊びます.
いたずらの思い出
お小遣い
小学生のとき私のお小遣いは一日に2リュエルでした.
学校はとても遠いです.歩いていくと冷たいものが食べたくなります.
私はかき氷が好きです.かき氷にミルクをかけて,あずきをのせて食べるととてもおいしいです.それが1リュエル.1日2リュエルじゃ足りません.
ポケットに穴をあける
結婚している1番めや2番めのお兄ちゃんが家に来ると「ソムルイ,ソムルイ(おこずかい!)」といってお金をもらいます.お兄ちゃんは両手をあげて「ズボンのポケットからとってごらん」と言います.私はポケットの中のお金を全部つかんで無理矢理引っ張ると,ポケットに穴があいてお金がズボンから下にザーっと落ちてしまいました.
スーのどろぼう
私はときどきお父さんのお金を盗みました.家の中にタンスがあって,タンスの一番下に鍵のかかる引き出しがあって,お父さんはお金を全部そこに入れています.
タンスの上にはテレビが置いてありましたけど,テレビの横にいつもお父さんは財布を置きます.財布の中には引き出しの鍵がはいっています.だれもいない時に財布の中から鍵をとって,引き出しの中から20リュエル出してタンスの下の奥のほうに隠します.
お父さんが「お金が足りない!」といってさわぐとみんなで探しますけれど,私はタンスの下に手をいれて「ここにあった!」と言います.それで問題がありません.
お父さんが気がつかないときは1週間くらいたって,かくしておいた20リュエルを取って遊びにいきます.だんだん大きくなると50リュエルとか,100リュエルとかお金も大きくなります.最高は500リュエル盗んだことがあります.
イムチェーンとキムスーン
ちいさいお兄ちゃんはイムチェーンといいます.7人兄弟の5番め.6番めがイムキムスーンというお姉ちゃん,7番めが私です.イムチェーンはすごくケンカが早くて小学校のときにクラスの子を石でなぐってそのために落第してもう1年学校に通ったことがあります.
イムチェーンのどろぼう
毎月15日は月がとても明るくて,夜になっても外にいて大丈夫です.家の外でみんなで話しているとちょっとお腹がすきます.
「何かたべたいなー」
というと,イムチェーンが行ってくるよと言ってどこかに行ってしまいます.うちのすぐ近くにはお寺があって,お寺の庭では果物を作っています.イムチェーンはそこに忍び込んでパパイヤとかマンゴーをいっぱい持って帰ってきます.青いパパイヤは薄く切ってプロホック(魚の塩辛みたいな調味料)とトゥックトライ(タイではナンプラーと言います)とニンニクや唐辛子をいれて作ったソースをつけて食べます.
「鳥おかゆが食べたいなー」
というと,近くに住んでいるベトナム人が鳥を飼っているのでそこにそーっと忍び込んで鳥を持ってきて首をナイフで切って殺します.羽をむしるときに羽がちらかると見つかってしまうので近くのおばさんの家にいって羽をむしらせてもらいます.
すぐ肉にしておいしい鳥おかゆを食べました.
アンコールワット
カンボジア人に
「旅行に行くとしたら一番行きたいところはどこ?」
と聞くと、ほとんどの人が
「アンコールワット!」
と答えます。
アンコールワットは私たちカンボジア人がただひとつ世界に自慢できるものです.
けれどほとんどのカンボジア人がお金がなくていけません.今でもそうです.
私のお父さんはちょっとお金持ちだったので私は5歳のときにアンコールワット
に連れていってもらいました.
ある日お父さんはソープロチャン川の近くに住んでいる親戚の家に行って
アンコールワットに行くことを知らせました.そして親戚をいっぱい
つれて帰ってきました.みんなでうちにきて3日くらい泊まって
そのあと車を借りて来ました大きなワゴンバスのような車です.運転手の人もきました.
全部で10人くらいの親戚とアンコールワットに出発しました.
もちろん5歳の私もいっしょです.
朝,食べ物をいっぱい作って車に乗ります.アンコールワットまでは
車で行っても1日かかります.昼になると車を止めて,外に出て食事
します.カンテール(ござ)をひいてみんながそこに座っています.
お母さんは食事のために石をつかってかまどをつくります.
誰かが近くから魚を買ってくると,それをかまどで焼いて,ご飯を
炊いてお昼ご飯を食べます.
家の近くにすごいお金持ちのひとがいて,その人たちも私たちといっしょに
行きました.その人が私にやさしかったので私はいつもお金持ちといっしょに
いて,みんなにそこの家の子といわれました.
アンコールワットについたのは夕方遅くでした.私たちは外に出て アンコールワットの入り口の近くで寝ます.昔のことですからホテルに 泊まったりしません.
次の日から3日くらい泊まってアンコールワットやバイヨン,タ・ケウなど を回りました.アンコールワットでは私は一番速く駆け出していって 石段を登りました.途中で誰もこないので後ろを見るとすごく高くて 恐くなって泣いていたところをお父さんが来て助けてくれたことを なつかしく覚えています.
お坊さん
わたしの家はお寺の近くなのでたくさんのお坊さんが通ります.
わたしの家ではよくお坊さんにトゥボーボン(喜捨)をします.
喜捨するのはほとんどお坊さんの昼ご飯です.
ご飯とかその外の食べ物です.食べ物は何でもいいですが,その日に
食べられるものです.おかずは魚でも肉でもかまいません.ただしスープ
は持ちにくいからあまり上げる人がいません.
家の前にテーブルがあって,テーブルの上に炊いたご飯をおきます.
お坊さんが通るとき,わたしがトゥボーボンそれを見て止まります.
わたしはご飯の入れ物を持って歩いていくと,お坊さんはこちらを向いて
バートの蓋を開けます.バートというのは托鉢のための入れ物です.
私はお坊さんの前に跪いて手を合わせ,それから立ち上がってご飯を
バートの中に入れます.お坊さんは女の人を直接見てはいけないので
下を向いています.ご飯を入れると私はもう一度跪いて手を合わせ,
お坊さんはそのまま托鉢をつづけます.
お坊さんは托鉢でもらったもので11:30までに食事を終わります.そのあと は何も食べ物を口にしてはいけません.飲み物ならいいですから 夜私の家にくるお坊さんには椰子のジュースを出します.
お坊さんは楽しいことをしてはいけません.だから音楽を聴くことも 歌を歌うこともしてはいけません.また走っているお坊さんを 見たことがありません(きっと走ってはいけないと思います)
小さなわたしにはお坊さんが2種類いるのがわかりました.
あるお寺のお坊さんははだしであるきますが,別のお寺のお坊さんは
みんな靴を履いています.なぜだかわかりません.
お坊さんになることをブォ(出家)といい,もとの普通の人に戻ること
をサック(還俗)といいます.
普通のひとがお坊さんになることもあります.たとえば自分のお父さん
が亡くなったあと1ヶ月とか決めてその間だけお坊さんになります.
私はそれはばかな習慣と思います.生きているときに何もやってあげないで
死んでから自分がお坊さんになってどうして亡くなったひとが喜ぶでしょう
○米の炊き方
米を3,4回なべの中で洗って炊きます.炊く時には炭と薪を使います.
途中煮立ったら一回水を捨てて,そのあとかまどにかけて今度は火を少し弱く
します.15分くらい経ったらかき混ぜて出来上がりです.
○米を使った料理
刄v・オー
大きい魚を40cmくらいかってきれいにおろす
内臓は全部すてる.塩と酵母母はよくこれを作ります
2つの小さい瓶(高さ70c)に入れる
お米を炊いてから酵母赤い色もある魚を中にいれてカメに入れる
1ヶ月あとフラパンにいれてにんにく入れてボボーといっしょに食べるか一つの料理です.
おいしいです
刄oンチャウ(カンボジア風オムレツ)
お米を洗って一晩水につける.
ターメリックを小さく切っていれる.
ココナツを入れる.
石臼で引いてクレープにする.
ブタの挽肉,えび,もやし,やクイティウ(お米で作った麺)を包んでオムレツにする
刄mムクルォック(カンボジアたこ焼き)
タコ焼きはターメリック入れない
白い粉を葱を切って混ぜる
あまいナンプラーをつけて食べる
刄oーイチャー
朝は残ったご飯を炒める
残ったご飯でもごはんです
刄{ボー(おかゆ)
米洗ってつくる
魚を入れる,鳥,豚の内臓をいっぱい入れて食べる
刄Iンソームアン
もち米を洗ってバナナと一緒にバナナの皮に包んで焼く
タマリンド
プノンペンの道の両側にタマリンドやマンゴの木があります。今もそうです。木は役所のものですが、戦前父が役所から管理する権利を買っていました。管理すると並木のタマリンドの実やマンゴの実を取って売ることができます。タマリンドは日本ではあまりなじみのないフルーツです。形は空豆に似ています。すっぱいものとあまいものの二種類があります。
タマリンドはレモンの変わりに使います。カンボジア人の料理はすっぱいスープが多いですのでタマリンドをよく使います。まだ熟してない時は、青くて、洗ってからそのまま使います。熟してから皮をむきます.果肉の色はワインの色です。ひとつのタマリンドはだいたい5つの種があります。種の色は黒です。
使い方は、まず皮をむいてから5か10本ぐらいボールにお湯を入れて、10分あとかけ混ぜる。スープに入れるやトゥックトゥライ(タイではナンプラー)とにんにくととうがらしと混ぜて、焼き魚と一緒にたべます。
種も捨てません。皮を取って、種のしんは白です。デザートもできます。
タマリンドの木の新しい葉も食べられます。すっぱい味で、野菜にとしてスープに入れます。
マンゴー
マンゴーもレモンのかわりに使います。
いろいろ種類があります。とても小さいと15センチぐらいのマンゴもあります。
まだ熟していない時に皮が青いです。果肉は白いです。
食べ方:
剄ラく切って、スープに入れる。
剄ラく切って、ソースを作る
トゥックトゥライ(タイではナンプラー)と砂糖とにんにくとうがらしと混ぜて、ソースを作って焼き魚と一緒に食べます。
刄Tラダに入れる
サラダを作る時はだいたい大きいマンゴを使います。皮をむいて、細く切って、豚肉や魚の薫製と補したえびとハーブピナッツにんにくとうがらしとタクルライと混ぜて、食べる
剌nしたらそのまま食べます。
剋閧拭く
剴ェにまいて日除け
凾ンずあびのときに体に巻いて下着に(カンボジアでは一般に外で水浴びをします)
刄Jゴを頭にのせて運ぶときにまるめて頭の上に置いてクッションの役目
剽シ側を縛って小さい赤ちゃんのハンモック
剪巨Qの時に体にかける
凾ィ寺にいくときにタスキ掛けして正装にする
刄tルーツを入れて運ぶ
刄|ケットを作って首にかける(木に登ってフルーツを採る人がよくこうします)
クロマーは市場で売っていますが,田舎の人が売り歩くこともあります.お金持ちの人はタオルをよく使っています.毎日よくつかっているから毎日あらいます
カヴァン
カンボジアのダンスで腰につけるスカートか袴のようなものをカヴァンといいます。カンボジアの伝統的な衣装です。
カヴァンは縦1m横3mくらいの一枚の布で、これを体に巻いて両はじを前で合わせて
ねじります.このしっぽを両足の間から後に回してベルトでとめます.
生地は木綿やシルクがあります。結婚式の時には新婦新郎が着ます。そのほか公式の時、
それから踊りの時にも着ます.
私が子供の時は普段着に着るのはおじいさんかおばあさんです。
今普段カヴァンを使って生活をする人は、ほんの少ししか残っていません。
若い人は全然使いません。
サロン
縦も横も2mくらいの布で男も女も使います。家に居る時、または外出も使います。
男の人は腰に巻きます.女の人は胸のところで巻いてしっかり合わせます.
カンボジアはとても暑いからサロンを使うととても涼しくて、みんながよく使います
カンボジアの名前はバッ・オンコンといいますオンコンというのは大きな固い豆です.豆は市場で売っています.私はよくこの遊びをしましたが,豆はどんな木か,見たことがありません.これは食べません.
遊びかた:男の子と女の子2,3人づつであそびます.何人でもかまいません.
女の子のグループと男の子のグループは20メートルくらい離れて,お互いに5個の豆を砂で立てます.そのほかに投げるための豆が10個づつあります.
最初女の子が豆を投げて遠くの男の子たちの豆にぶつけます.なかなか当たりません.ぶつかると,立っている豆が倒れます.
次に男の子が10個の豆を投げる番です.こうして何回も続けて,5個の豆が全部倒れてしまったら負けです.
負けたとき,罰があります.豆をひとつひざに当ててもう一つの豆で思い切りガーンとたたきます.これはすごく痛いです.負けるとくやしいから何回もやります.そうするとひざが腫れて真っ赤になる子もいます.
クロマー投げ
カンボジアの名前はレーン・チャオル・チューンといいます
お正月のときにするゲームです.
始めにチューンを作ります.チューンはクロマーの中に布をたくさん入れてボールのようにして縛ったものです.頭は布でできたボールでクロマーの余ったところはしっぽになります.
男グループと女グループに別れて20メートルくらい離れて向かい合います.本当は男と女というグループでなくてもいいですが,恥ずかしいから.
女グループの一人が男の子に向かってチューンを投げます.男の子がとります.取れなかったらその人は歌を歌わなければいけません.このときメロディーは決まっていますが自分で言葉を作って相手をからかうように歌います.「おまえはへんな顔ー.2度と見たくないー」とか.言葉を作るとき最後の言葉は元の歌詞と韻を踏まなければいけません.これがけっこうむずかしいです.元の歌詞は
・・・・・・ダウ
・・・・・・・・プラウ
・・・・・・・アン
ですから,自分でつくる言葉は
・・・・・・カウ
・・・・・・・チュラウ
・・・・・・バーン
とかいう歌詞で作ります.
プノンペンの子は歌うのが恥ずかしいですからあまりうまくありません.田舎の子はよく歌います.田舎では大人になってもすることがあります.歌う中で「僕はあなたが好きー,かわいい顔が忘れられないー」とか歌ってもいいです.けれどきっと答えは「わたしはあなたがきらいー,あなたのカエルのような声を聞くと病気になるのー」 という答えになるでしょう.
缶なげ
カンボジアの名前はチャオルコンポンと言います.
はじめに地面にテーブルくらいの大きさの円を書きます.これはティー(台)といいます真ん中にコンデンスミルクの缶を置きます.
それからパウヂンソム(じゃんけんぽん)でオニを決めます.だれか一人がミルクの缶を遠くに投げます.
オニはそれを取りに行って帰ってきます.その間にみんなが隠れます.オニは缶を持ってかえってくるとティーの真ん中に戻します.
そのあとオニはみんなを探します.
隠れている子を見つけたらオニはその子をポンと叩きます.または名前を呼びます.見つけられそうになった子は逃げますけど,名前を呼ばれないように顔を隠します.「アパウ!」とよんでそれが本当にアパウならみつかったことになります.その子がアパウでなければダメ.オニはもういちどしなければいけません.
その子がアパウだったらOK.オニは急いでティーに戻ります.ティーの中に置いてある缶をとったら[チョールティー!(入台)]と叫びます.それでアパウが次のオニです.
探しに行っているときに隠れている子の一人がそーっとティーに近づいて缶をとってしまうと,その子は「チョールティー!」と叫んでオニの負け,オニはもういちどしなければいけません.
だからオニはいつもティーのほうを注意しています.
スーがそーっと缶を取りにいったときオニがそれに気がついて「スー!」と叫んだらスーの負け.次のオニはスーです